トップ画像
TOP > Photo

スイーツから廃墟まで。北の国からお送りする日常ゆるゆる探検。2009年から始めた前ブログの記事を再編、移植しています


No.76

三池8トン有線電車

三池8トン有線電車

20250821031944-admin.jpg
2009年、炭鉱の痕跡を探すべく、今度は芦別へ。
市立図書館の敷地に、炭鉱関係の電車が保存されているということで、立ち寄ってみた。

現在も変わらず保存されているが、塗装し直したらしくこの2009年当時よりも綺麗になっている。

202508210319444-admin.jpg前庭の隅に、ひっそりと保存されている電車と、この看板。

 昭和28(1953)年4月、福岡県の三井三池製作所で製作され、約30年間にわたり三井芦別炭鉱の坑内で働いてきました。 小型ながら、90馬力を有し炭車30両以上をけん引することができます。
 石炭産業の最盛期には、三井芦別炭鉱で37台の同型列車が活躍していましたが、採掘区域の深部化に伴い、運搬の主力がバッテリー電車やベルトコンベヤーに移ったため、昭和57年には3台を残すのみとなりました。
 平成4(1992)年9月、三井芦別炭鉱が閉山したため、芦別ではこの1台しか見られなくなりました。

 平成8(1996)年5月
 芦別市教育委員会

炭鉱の列車といえば、精炭された石炭を出荷するために積載したSL列車などが思いつくが、ここに保存されているのは掘り出したばかりの石炭を坑外へ運び出す坑内列車のことである。筆者は鉄道に明るくないのだが大まかに説明すると、斜坑内に架線し集電して動く有線電車で、都市部の路面電車と同様の仕組みとなる。

202508210319441-admin.jpgこちらはトロッコの頭部?だろうか。今はこの場所には現存していないようだ。その横には連結された茶色い炭車が見え、それに石炭が積まれ坑内を走っていた。

蜘蛛の巣が張っていて、この当時はあまり注目もされていないようだった。

202508210319442-admin.jpg三井マークが付された有線電車。パンタグラフが取り付けられている、架空電車線(架線集電)方式の電車だ。高さは子供の背丈くらいか、小ぶりの電車だがこの大きさ(小ささ)で炭車30両以上をけん引出来たとは驚きだ。
坑内を掘り進むにつれ深部化が進み、立坑掘削くらいになると運炭は無線化してバッテリー式機関車(バッテリーロコ)やベルトコンベアーに取って代わられるようになり、有線電車は姿を消した。

植え込みがすぐ隣にあり、枝が覆い隠す形になっていたため正面を撮ることは出来なかった。

202508210319443-admin.jpgこちらは坑員を運ぶ人車になる。1つの乗降口に付き4人乗り(2人座席が向かい合わせに配置されている)×3列で、1両に付き12人乗りになるのだろう。大の大人が向かい合わせに膝を突き合わせて乗ることを考えると、決して内部は広くない。

雨天の上、蜘蛛の巣に警戒しつつ(とても苦手)だったのでじっくり見ることが出来ず、またこれ以降再訪はしていない。
近くを訪れることがあれば、再整備されたこの列車を間近でもう一度見てみたいと思う。
畳む


#炭鉱 #鉄道

道央,芦別