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スイーツから廃墟まで。北の国からお送りする日常ゆるゆる探検。2009年から始めた前ブログの記事を再編、移植しています


No.31

天使の聖母 トラピスチヌ修道院

天使の聖母 トラピスチヌ修道院

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2009年の記録である。
アーチ橋>>30を見た後に函館市街地へ。しかし観光できる施設やお店の開店には若干早い時間だったため、以前家族旅行で足を運んだことのあるこちらへ立ち寄った。

ちょうど開館の時間だったらしく、他にも観光客が多く少々賑やかだったが、修道女たちの生活の場でもあるため、奥の庭園では静粛を求められる。見学出来るのは修道院の前庭と建物の外観、資料館、売店のみで、当然ながら修道院の建物には立ち入れない。
しかし、綺麗に整えられた庭園と異国情緒にあふれた建物、神秘的な信仰の生活を想うと、心が洗われる気持ちになる。宗教施設というものは、その信者でなくとも何処か厳粛な気分になるものだ。

トラピスチヌ修道院は、日本初のカトリック観想女子修道院として、1898年(明治31)に設立された。観想修道院とは、修道院の中で祈り(観想)や労働の生活に徹する修道会の修道院で、これに対しては活動修道院もあり、そちらは祈りの生活に加え、教育・福祉等の分野で広く活動し宣教も行う修道会の修道院である。トラピスチヌの厳律シトー会は、観想修道会にあたるため、観想修道院となる。

近郊の北斗市には同じく厳律シトー会のトラピスト修道院があり、そちらは男子修道院である。

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202410040206031-admin.jpgこちらの重厚な門は関係者の入口と思われる。一般の見学者の入口は通りに面した円形の門になる。

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「厳律シトー会天使の聖母トラピスチヌ修道院」
 天使の聖母トラピスチヌ修道院は、明治31(1898)年、フランスのウプシーにある修道院から8名の修道女が来たのが始まりである。キリスト教伝導のためには、修道院の精神的援助が必要であると、函館教区長ベルリオーズ司教が要請していたものであった。
 草創期の修道女たちの生活は困難を極め、それを見かねたフランスから、引き揚げが伝えられるほどであった。
 現在の建物は大部分が大正14(1925)年の火災後、昭和2(1927)年に再建されたものである。
 函館市


202410040206033-admin.jpg門をくぐると現れる大天使聖ミカエルの像。
昔(30年くらい前)の家族旅行で訪れた時は、白ベースで色塗装を施されていた記憶がある。こちらとは別の像だったのかも知れないが。

ザビエルが薩摩藩主から宣教許可を得た日がちょうど聖ミカエルの祝日だったことから、聖ミカエルを日本の保護者として宣教に取り組んだのだそうだ。

202410040206034-admin.jpg慈しみの聖母マリア像。
多くの人が想う理想の慈母像なのかも知れない。

202410040206035-admin.jpg「ここから先は、静粛に」の看板。
団体ツアーなのか、行列を作っていた。

202410040206036-admin.jpg修道院受付の建物。

202410040206037-admin.jpgルルドのマリアと、聖ベルナデッタの奇跡。

202410040206038-admin.jpg盆栽のような松の木に、和洋折衷の趣を感じる。

202410040206039-admin.jpg聖テレジアの像。抱いているのはバラで飾られた十字架。

2024100402060310-admin.jpgドーム型の丸みを帯びた建物は聖堂。その壁の像はジャンヌ・ダルク像。よく見ると剣と旗を持っている。
ジャンヌ・ダルクは修道女のシンボルなのだそうだ。

2024100402060311-admin.jpg風見鶏のある聖堂の塔は鐘楼。祈りや仕事の時間に鳴らされ、学校のチャイムのような役割をしている。
修道女の生活は朝の起床が3時30分、就寝が19時45分。3回の食事と主に祈りと読書、労働で一日が構成される。実にストイックな生活だ。起床と就寝に関しては入院生活よりも厳しい…が睡眠時間が7時間は取れるので健康的ではある(夜更かし民の戯言)。

売店のマダレナケーキとクッキーは実際に修道女の方たちがこちらで作っているものだ。
トラピスト修道院のトラピストクッキーも有名だが、どちらも美味しい。


202409120109434-admin.jpg隣の市民の森の桜が八重咲きで、5月下旬で満開だった。

202409120109435-admin.jpgポンポン状の八重桜が祝福してくれているようだ。手毬のようで可愛らしい。
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#花 #古建築

道南,函館