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江戸期の北方探検家で歴史創作。絵・漫画・設定・調べ物などゆるゆるっとな。


No.30

◆『猛き黄金の国 伊能忠敬』上下巻 本宮ひろ志 集英社 ヤングジャンプコミックスGJ 2021年

あの本宮先生が伊能忠敬を描くのか…それは熱いな!と思いつつ読了。よく考えたら『サラリーマン金太郎』をはじめ働く人にスポットを当てた名作が多いので、地道に働き続けた伊能の生涯を描くにはもってこいだろうなとちょっと納得しました。絵もずっしり安定感とコマ割りや台詞もハイテンションながらもテンポがあって、やっぱりプロ作家さんの作品は感情移入しやすく面白い。
※『猛き黄金の国』では岩崎弥太郎の生涯を描いており、以降はこのタイトルを冠し時代を問わず日本の偉人を描くシリーズものとなっています。

しかし伊能の全生涯をこの上下巻(約400ページ)で描ききるのは至難の業…上巻と下巻の半分くらいまでは若き日の商人としての活躍が描かれ、あとの残りでやっと天文方に弟子入り、測量地図作りがぐっと凝縮して描かれています。漫画なので演出などの脚色もあるにはあるものの、エンタメとして見れば致し方なしですね。例えば間宮林蔵の伊能への師事と蝦夷地測量、樺太行きの時系列は全く逆です、実際は樺太が先。あとミチさんとの新婚当時の関係性は以前の伝承を踏襲しているのかな、とか。
描き手の訴えたいことは何となく分かるので、それを前面に出すために必要だったのかもな、と思うことにします。

個人的には、息子の秀蔵との関係性が良好に描かれていてほっこりしました。実際は第六次測量まで助手として同行しながら途中で帰され、最終的に破門されています。後継ぎの景敬と比べると冷淡な扱いだったらしく…また娘のイネさんの勘当も描かれておらずその辺りは平和な伊能家でした。
忠敬という人は、身内に対してもかなり厳格で気難しく、今で言う結構なパワハラモラハラ気質だったのはまあ有名です。それくらいでなければ大事は成し遂げられないというのも理解は出来ますが。
それらのプライベートも描き出したらもういくらページがあっても足りませんね…!

間宮の描かれ方にやっぱり笑ってしまう、絶対上品に描かれることのない人だな。
あと高橋至時先生がメガネ君なのはちょっとかわいい(笑・思わず自分も影響受けてしまった)

学習漫画とかもそうですが、こういう歴史系の人物漫画を描かれる方はプロアマ問わず尊敬しますね。
当時の服装とか、背景とかさあ…!!(色々敵わないことを悟った叫び)

#伊能忠敬

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