徳内さん。やっぱり印象深いのはイジュヨとのすれ違いですかね… エトロフ島調査で出会ったロシア人イジュヨらに退去を促しつつも、ロシア語を教わったり互いの国情を交換したりと、友情も深めていくものの、その数年後に再度エトロフ島へ向かうも、到着した2日前にイジュヨは既に島を退去しており、すれ違いに。 一説には、イジュヨらは、エトロフに向かって来ているのが徳内ではなく他の役人だと思い込み慌てて退去したとも言われており、またこの間に徳内さんも普請役に昇進したために以前より自由に動けず、後を追うのが遅れたという事情もあるらしく。 徳内さんが握りしめているのは、イジュヨからもらったパスポートです。 エトロフからウルップ、更にその先カムチャッカまで、広い世界への関心を持つ徳内さんに、ロシア側に捕まってもこれがあれば大丈夫と渡してくれたもの。これがあればどこへでも行けると、『風雲児たち』でも描かれたシーンは印象的です。 花はチシマザクラ。鳥は、善知鳥(ウトウ)といいます。北海道の離島や北方領土方面に多く生息しているのですが、この剥製を持ち帰って堀田老中へ贈り、他文化人の関心を引いたりもしていた模様。 地図は彼の報告書『蝦夷国風俗人情之沙汰付図』を参考に、エゾからカラフト、クナシリ、エトロフ方面になります。 イジュヨとの出会いからエトロフ再渡島までの間にも、松前藩に追い出されたり、自身の婚姻や、上司の青島に連座し投獄され(これは理不尽案件ですが)、妻が江戸まで追いかけてくるなどなど、波乱とエピソードも豊富な御仁です。全生涯で9度、蝦夷地に渡島して調査し、その後も八王子で製蠟の指導や論語の再編等の執筆活動も精力的にこなすなど、この方の辞書に休息などという言葉はあったのだろうかという活動ぶり。晩年は平田篤胤と深い交流があったようです。 シーボルトに間宮の地図を渡したのも彼…25年間の出版禁止の約束を取り付けた(それを守ったシーボルトも誠実)のは賢明だなぁと。 復習で色々読み返しましたが、改めてなかなか面白かったです。 #最上徳内 いいね ありがとうございます! 2025.1.27(Mon) 23:58:26 イラスト
徳内さん。やっぱり印象深いのはイジュヨとのすれ違いですかね…
エトロフ島調査で出会ったロシア人イジュヨらに退去を促しつつも、ロシア語を教わったり互いの国情を交換したりと、友情も深めていくものの、その数年後に再度エトロフ島へ向かうも、到着した2日前にイジュヨは既に島を退去しており、すれ違いに。
一説には、イジュヨらは、エトロフに向かって来ているのが徳内ではなく他の役人だと思い込み慌てて退去したとも言われており、またこの間に徳内さんも普請役に昇進したために以前より自由に動けず、後を追うのが遅れたという事情もあるらしく。
徳内さんが握りしめているのは、イジュヨからもらったパスポートです。
エトロフからウルップ、更にその先カムチャッカまで、広い世界への関心を持つ徳内さんに、ロシア側に捕まってもこれがあれば大丈夫と渡してくれたもの。これがあればどこへでも行けると、『風雲児たち』でも描かれたシーンは印象的です。
花はチシマザクラ。鳥は、善知鳥(ウトウ)といいます。北海道の離島や北方領土方面に多く生息しているのですが、この剥製を持ち帰って堀田老中へ贈り、他文化人の関心を引いたりもしていた模様。
地図は彼の報告書『蝦夷国風俗人情之沙汰付図』を参考に、エゾからカラフト、クナシリ、エトロフ方面になります。
イジュヨとの出会いからエトロフ再渡島までの間にも、松前藩に追い出されたり、自身の婚姻や、上司の青島に連座し投獄され(これは理不尽案件ですが)、妻が江戸まで追いかけてくるなどなど、波乱とエピソードも豊富な御仁です。全生涯で9度、蝦夷地に渡島して調査し、その後も八王子で製蠟の指導や論語の再編等の執筆活動も精力的にこなすなど、この方の辞書に休息などという言葉はあったのだろうかという活動ぶり。晩年は平田篤胤と深い交流があったようです。
シーボルトに間宮の地図を渡したのも彼…25年間の出版禁止の約束を取り付けた(それを守ったシーボルトも誠実)のは賢明だなぁと。
復習で色々読み返しましたが、改めてなかなか面白かったです。
#最上徳内