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ウトナイ湖
ウトナイ湖苫小牧東部の代表的な景勝地である。湖というよりも広大な沼地と言った方が相応しい湿地帯だ。
かつては観光ホテルやそれに併設するボウリング場、遊園地などがあり、近隣の白鳥湖(丹治沼)も同様のレジャー施設として賑わっていた。昭和の時代はこのような観光遊園地が大小至るところに開設され、そして時代の流れと共に消えていった。
筆者も幼い頃に、ウトナイ湖のホテルやボウリング場に連れて行ってもらったことがある。当時のボウリング場はスコアが手書きで、父に記入してみろと言われても要領を得ず、叱られたという苦い記憶がある。多分小学生の頃だったと思うが、筆者の能力ではまだ難しく、また子供に任せるのが間違っているだろうと、今思い返しても納得がいかない(数十年越しの恨み)。今は全て機械が行ってくれるのでなんといい時代になったものか。また、湖ではボートにも乗れ、白鳥を模した足漕ぎボートに乗ったものの旋回ばかりして思うように進まなかったという思い出もあるが、別の場所との記憶違いかも知れず自信がない。
現在ではウトナイ湖は、湿地の動植物保全のためのラムサール条約に登録されている自然保護区である。小学生の頃の社会科の郷土史では、サンクチュアリに指定されていると習ったが、千歳川の放水路建設に反対、対抗する形で日本野鳥の会が主導し1981年に一帯をバードサンクチュアリとして指定、翌1982年に国指定の鳥獣保護区、その後1991年にラムサール条約登録という流れであった。近年では道の駅や展望台、鳥獣保護センターなどが設置され、かつての賑わいとはまた趣の違った景勝地となっている。
秋の終わり頃にオオハクチョウやマガンが飛来し、冬の終わりにシベリアへ去っていく、渡り鳥の中継地としても有名だ。冬場に湖上にひしめくハクチョウの群れは圧巻である。人間と同じ営みのような仕草や争いの姿を見ることも出来、自然界の厳しさも垣間見えるが長時間見ていても飽きない。工業都市として発展しつつもかつての自然域が残る、逆に言えば経済社会において開発は簡単だが、元来の状態で残すのは至難の業という現在、絶妙なバランスで保全される自然の聖域とも言えるだろう。
▼2009年4月
ようやく雪も消えた頃、鳥たちはまだ沢山居たが、そろそろここを離れる時期だろうか。
オオハクチョウもまだいた。
オナガガモのオスとメス。
この頃はまだ誕生していないが、苫小牧のキャラクター「とまチョップ 」は、ハクチョウがモチーフの一つだったりする。
二羽並んで歩く姿が愛らしい。
この個体は、食事中のカモに激しくちょっかいを出していたり噛み付いていたいじめっ子、だった…
根気強く観察し続けていると、求愛行動も見られたりする。
奥の、向かい合って首を上下している2羽がそれである。コオーコオーと鳴き合っている。
頭部が茶色なのでおそらくヒドリガモだと思われる。
▼2009年11月
同じ年の秋に訪れてみた。
湖へ向かう車止めの柵が、可愛くなっていた。
最近ではこの手の柵をよく見かける。
11月頃からポツポツとオオハクチョウが帰ってくる。
遠くて判断し辛いが、ヒシクイやマガンも居るかもしれない。
ハクチョウの第一陣が来た感じだろうか。
冬にかけてもっと増えるはず。
間近で見ると凛々しい。
羽ばたく姿は狙わないと難しいが、やっと捉えることが出来た。
横に2m近くはある。
痒いのか、仕草が生活感あって親しみが湧く。
中には、負傷してしまった個体も。翼の骨が剥き出しで痛々しい。
泳ぐ(浮かぶ)ことは普通に出来るらしく、そのまま入っていったが、飛ぶのは難しそうだ。
渡らずにこのままこの湖に留まるのだろう。
色がグレーっぽいのは、若鳥なのだそうだ。
ハクチョウは家族単位で行動するため、近くには必ず親鳥がいるらしい(左側の見切れた個体?)。
湖から振り返って、道の駅の建物。
道の駅は別記事で記すことにする。
▼2011年6月
道の駅スタンプラリーを始めた時に立ち寄ってみた。
この時は駐車場が満車だったので、隣接の鳥獣保護センターに停めて周辺を見学した。
ウトナイ湖野生鳥獣保護センター。
ウトナイ湖に生息する野鳥や植物の資料展示。
子供連れも多く賑わう場所となっていた。
湖に沿って散策できる遊歩道が整備されている。
この時は、テラスのような張り出し部分が老朽化で立入禁止になっている箇所があった。
湖畔部分は木道となっている。
ここを含む散策路が周辺に巡らされているので、森林浴やウォーキングにも良さそう。
この時期は水鳥の姿は無く、森林の野鳥の姿が見られるようだ。
留鳥の姿もこの時は無かった。
小腹が空いたので、道の駅でB1とんちゃんの豚まんと、「ウトナイ湖の夕日」というドリンクをセットで。
マンゴーとハスカップで夕日をイメージしている。美味しかった。
▼2019年8月
この時は家から自転車で来てみた。この年に新設された展望台を見てみようと運動がてら訪れた。
半円柱型の展望台。屋上では360度のパノラマを望むことが出来る。
あの柵の鳥が、なんと…!
法被を着せられキューピーがねじり鉢巻きで乗っている。
どろぼう?ひょっとこ?もいる。遊び心が炸裂している。
ガラス張りのフロア。湖の方向を展望出来る。
単眼鏡も設置されている。
さすがに鳥は居ない…と思いきや、
ハクチョウが一羽、ぽつんと。
長距離を飛べないのか、居残った個体だろう。
屋上から。
道の駅、国道側を眺める。
湖岸に下りる。
先程のハクチョウか、遠くに白い点と黒い点がいくつか見える。留鳥が奥の方にいるのかもしれない。
穏やかな夏のウトナイ湖だった。
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#湖沼 #鳥類 #飲食
苫小牧・金太郎の池
苫小牧・金太郎の池過去と現在の姿がこれほど変わった公園施設はないだろうと思う。
とはいえ、当方は以前の写真を持っておらず、またざっと検索してみても見つからなかったため、ここで比較は出来ないのだが。
隣接する緑ヶ丘公園>>11と並ぶ市民の憩いのスポットである。厳密に言えば、金太郎の池は緑ヶ丘公園の一部であり、更に奥の森林区域に遊歩道が伸びる高丘森林公園>>7と併せて一帯が広大な公園施設となっている。
個人的には、子供の頃の遠足などレクリエーションで利用したのはもっぱら緑ヶ丘公園の方で、横幅の広いジャンボ滑り台が有名だったため知名度も圧倒的にそちらの方が優勢だった。今では展望台も設置され、支笏湖通からもその姿を確認出来るランドマークである。
片や金太郎の池は、元々は森林区域の奥にひっそりと佇む池で、知る人ぞ知るスポットだったような気がする。学校の遠足スポットだったという話もあるが、筆者の学校では記憶にない。筆者自身は小学生の頃、同級生数名で連れ立ち、筆者の父がクルマを出して皆で乗り合わせて訪れたことがあった。記憶に間違いなければ駐車場から5分程、林道のような道を歩くと池に辿り着き、秘密基地のように感じられ心が躍った。1980年代のことである。
それからしばらくして、幹線道路から長いアクセス路が伸び多くの台数を収容出来る駐車場も出来、ひっそり池は外周約1kmの、手漕ぎボートも漕ぎ出せる広大な池へと変貌した。子供向け遊具や丘の斜面を利用した滑り台、BBQのレストハウスなどが作られ、緑ヶ丘公園同様多くの市民が訪れる憩いの場となった。
なんだかんだと今では筆者も時々訪れ、ウォーキングコースとして利用しているが、あの頃のひっそり池の姿が見られなくなったことに少し寂しさを覚えていた。しかし実は、池の奥の方にこれまたひっそりと以前の姿を止めて残されていたのである。
▼2005年8月
池が今の姿になってから、この時初めて撮影した。
木々の木陰が色濃い夏景色。
八つ橋が健在だった頃。
ここには色々な鳥がいるが、特にカモメの姿が目立つ。
カモも数種類いる。
橋と東屋。すっかり綺麗な公園の姿になった。
木を囲む円形ベンチ。
足はピンクだけど、目つきが鋭いのでウミネコかも知れない。
カルガモ親子が可愛らしい。
様々な鳥が共生している。
▼2022年9月
池の奥の存在に気づいたので、じっくり見てみようと再訪した。
スマホの撮影で、コントラストを強めに設定してある。
池の周囲はウォーキングやランニングコースになっている。
八つ橋は、その後傷んでしまったらしく現在は板が外され渡れない。安全性を鑑みて修復はしないだろうと思われる。
池北西側の小橋の奥が、水源なのかひっそりと存在する。
かつての池がこのような雰囲気で、おそらくそのまま残され南側に今の池が拡張されたのだと思われる。
時期的にか藻や水草が繁茂していた。囲いの他は手付かずなのかも知れない。
昔、皆で遊んだ池の風景がまさしくこんな感じだった。
懐かしさで胸が一杯になった。
地図・空中写真閲覧サービス でこの辺りの1970〜80年代の写真を見ると、霊園の南西に湿地のような川があり、その太くなっている部分が元々の金太郎の池だと思われる。地形的にその川を拡張して今の形と広さに造成したのだろう。
元の池の雰囲気が好きだったので、残っていた(残してくれていた)のは嬉しい。
なんにせよ、憩える公園があることは、街にとって素晴らしいことだと思う。
▼2023年5月
池の南東側から競技場、野球場方面へ伸びる遊歩道が桜並木となっている。
ちょうどGWでお花見シーズンだったので、足を運んでみた。
鯉のぼりが泳いでいた。子供も多く訪れるので、素敵な取り組みだ。
ちなみにこの池には鯉もいるのだが、なかなかのコラボレーションだ。
桜並木はちょうど見頃を迎えていた。
全長は500m程度なのだが、こんな名所になっているとは思わなかった。
この時期に来たのは初めてだったので、近所なのにちょっと感動してしまった。
かつての奥地の池は、四季を通じて様々な景色を見せてくれる場所になっていた。
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#公園 #湖沼 #鳥類 #花
北竜町ひまわりの里
北竜町ひまわりの里初訪は2006年だが、2013年7月に再訪した時のものを主に上げる。
北竜町ひまわりの里の「ひまわりまつり」は、毎年7月中旬から8月中旬に開催される。見時は8月上旬のようだが、2013年は7月29日に訪れたところ、写真の通りにかなりの満開で見応えがあった。まつり期間は観光センターで食事の提供があったり、ひまわりの里内ではひまわり迷路やアイガモ牧場、ぐるっと巡回するトラクター観覧車など、子供から大人まで楽しめる様々な催しが行われる。
北竜町ひまわりの里は発祥が1979年と、それなりに歴史がある。農協職員が視察先の旧ユーゴスラビアのひまわり畑に触発され、町で栽培を始めたのが始まりで、ひまわりまつりは1987年に初開催された。ひまわり油製造や、ひまわりブランドを冠した減農薬米「ひまわりライス」の生産などを経て、年々作付面積を増やし、現在では約23haに200万本という、日本最大級のひまわり畑となった。また、街の外灯もひまわりモチーフの装飾だったり、施設にひまわりの名が付いていたりと、すっかり町の顔となっている。
一面の花畑は惹かれる風景の一つだが、ヒマワリという花に関しては、素朴だが存在感が大きいだけにピークを過ぎた辺りの外見がとても物悲しく、子供時代の「過ぎゆく夏休み」のような切なさも感じる。そんなヒマワリの海は力強い生命力と壮大な郷愁という相反する要素が同居する風景でもあると思う。毎年見に行きたいような、行きたくないような、複雑な感情が絡み合う。
しかし一旦その中に身を投じれば、只々圧倒されつつ夢中でファインダーを覗くことになるのだが。
2006年に訪れた時にはダチョウ牧場があったが、2013年もあった。
ダチョウもヒマワリを眺めているのだろうか。
二重まぶたのせいか、目が綺麗だと思う。
同じ個体かはわからないが、どことなく2006年に見た時より大人しい。
正面顔は滑稽な感じだが、心を鷲掴みにされそうだ。
2006年時のダチョウの写真があったので上げておく。
当時100円で餌やり体験が出来たので、興味があったのでさせてもらった。
オスは体の羽毛が黒く、くちばしが赤い。
こちらはメス。結構ガッツガツいっている。
割と仲が良さそうだった。オス1頭メス2頭くらいで飼育されていた。
まつりの期間だけ幌延から移送して飼育展示されていたようで、元々ここで飼われていたわけではなくヒマワリとの関係性も特に無さそうだった。
現在はまつりのマップにもプログラムにもダチョウ牧場の記載はないため(昨年までは2つの迷路の内の1つに「ダチョウ迷路」という名が付いていたが)、ダチョウ牧場は過去の催しとなってしまったようだ。
アイガモ牧場の方は2006年にも見たが、現在も続いている。
しばらく観察していると、大変社会性のある生態のように感じる。愛らしいが妙に生活感がある。
地元の中学生が栽培しているという、世界のひまわりのコーナー。
様々な色合いのものがあって興味深いが、真っ赤や黒に近い赤さのものは燃える炎のようで、よりサンフラワーと呼ぶに相応しい。
ヒマワリの蕾はこんな感じ。
なかなか壮観である。
「ひまわり号」を添えておとぎの国のような風景。
整列して栽培されているのがわかる図。
「夏休み」というものに会いたくなったら、また来よう。
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#イベント #鳥類 #花