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有珠の沢の湧水
有珠の沢の湧水苫小牧の有珠川上流奥地にある湧水で、以前から有名な場所らしい。
初探訪は2009年、ちょうどここの元ブログを始めた年に、コメントを頂いていた方から教えていただき、訪れてみた。
住宅地から林道を約2km程進んだ先の個人の私有地にあるが、ご厚意で自由に水を汲めるように整備されている。初訪時は先客がおり、4lペットボトル数本に汲み入れているところだった。それなりに知られているようだ。筆者は汲みに来たというよりも、どのような場所かを知りたかっただけだったため、軽く手で掬って飲むに止めたが、ひんやりと冷たく、染み渡るような美味しさだった。
飲用出来るくらいなので水質はお墨付きらしいが、飲水や持ち帰った後の処置については自己責任である。
2012年に再訪した時は、500mlのペットボトルを用意して汲み、その足で樽前山へ登山に行き、乾いた喉をこの水で潤した。湧き水の地産地消である。
普通北海道ではエキノコックスの問題もあるため、このような贅沢は中々出来ない。
ここに上げる写真はその2012年時のものである。
現地までの道端に、小さな鳥居が点在していた。何かが祀られているのだろうか。あるいは不法投棄避けだろうか。
少し開けた場所に駐車スペースが数台分あり、汲み場へ降りる階段が設置されている。
汲み口は3ヶ所ある。
湧き水は有珠川へ流れていく。川霧が立ち込める幽玄な雰囲気だ。
水の流れる景色はずっと見ていられる。夏場だと恰好の涼み処である。
「不法投棄は犯罪です!!」
この辺りは比較的目立つゴミもなく、綺麗な方だった。
整列する植林の様子。
帰り道すがら、少し下流側にほとりに出られる場所がある。
奥に見えるのは高速道路の高架。
思えば、2009年に来た時も同じくここに立ち寄った。静かで水が綺麗で、ずっと居たい場所だった。
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#河川 #湧水
樽前ガロー
樽前ガロー苫小牧市西部の郊外にある景勝地。長らく市内に居住しているなら一度は聞いたことのある場所なのではないだろうか。
東部にはウトナイ湖>>14があり、そちらでは以前から観光ホテルやボウリング場等(双方現存しない)が建ち、現在ではラムサール条約に登録されたり道の駅が開設されたりと観光の拠点となっているが、こちらの樽前地区に関しては、一時期樽前ハイランド等の遊園地が賑わったものの、撤退後は他に大きな開発の手が加わらず、樽前山の麓、点在する沼地やこのような特徴的な景観ポイントを残すのみである。
樽前ガローは、樽前山などの支笏火山の溶岩を川の流れが浸食して形成された幅狭の渓谷である。「ガロー」とは、両岸が切り立った崖になっている場所を指し、東北方言ともアイヌ語とも言われているが詳細は不明。
筆者は2006年にふと思い立って足を運んだが、下調べも不十分だったため見所がいまいち分からず、樽前川上流側の古いガロー橋から眺めるに留まっていた。
これは個人的な子供の頃の記憶だが、親の会社の親睦会だったか数家族と連れ立って樽前ハイランドを訪れたことがある。その帰りに深い渓谷の下に降りて、皆でザリガニを捕ったことがあるのだが、その渓谷がどこだったのか、親に聞いても分からず、ずっと気にかかっていた。当時のハイランドの周辺にそういった地形は樽前ガロー以外に見当たらないので、ガローのどの辺りだろうとよくよく調べると、もう少し下流側に駐車スペースと別に橋があり、崖下に降りられるポイントがいくつかあった。
長靴やカメラ等を準備し、危険も承知の上できちんとした形で再訪したのは2020年夏。ようやく記憶の景色に辿り着くことが出来た。
しかし奇しくもその後、岩盤崩落の危険のため、下に降りることは禁止となってしまったようだ。支笏湖の苔の洞門しかり、樽前山の溶岩ドーム内側しかり、自然現象が理由で一度立入禁止になるとほぼ解禁されることはない。
素晴らしい自然景観の場所なので、末永く保たれて欲しいが、そこに身を置いて楽しむことが出来なくなるのは甚だ残念でもある。
瀬戸際のタイミングであの頃の記憶に再会出来たのだと思えば、大変幸運だったと言うべきだろうか。
▼2006年5月
この案内板は撮影当時のもの。現在は新しい看板が立っているのでおそらく現存しないと思われる。
当初は上流側のガロー橋から眺めていた。かなり古い橋だ。
水量はそれなりにあるが狭い。内壁一面に苔が繁茂する。
ここだけ見ると降りて遊べるような場所ではない。
更に上流側へ行くと湧水の場所があった。
時々汲みに来る人がいるようで、現在はもっと汲み口が整備されているらしい。
▼2007年7月
この時は水量と勢いが凄かった。
▼2009年1月
冬のガロー橋。
こうして見ると、浸食の過程を見ているようだ。
変わらないように見えるが、確実に変わっていっているのだろう。
▼2014年9月
駐車スペース近くにある取水地(だと思われる)。古さを醸し出す趣のある施設だ。
この時に初めて駐車スペースと下流側の樽前ガロー橋の存在を知った。
写真が何故かこれしか見当たらないので、準備不足を悟って程々に撤退したのだろうと思う。
ちなみにこの頃にはコンデジを卒業し、デジイチ持ちで撮るようになっていた。
▼2020年8月
樽前ガロー橋から。今更ながらやっと見つけた感があった。
最も知られているであろう降り口から降りたが、ロープが設置してある崖となっていた。
個人的には危険度はそこそこだったが、散歩気分で降りられる場所ではないことは確か。
かなりの既視感。やっと再訪出来た喜びと懐かしさが込み上げた。
今でもザリガニはいるのだろうか…
撮影しているともやが立ち込めてきた。
際の方は浅いが、中程に行くにつれ深くなる。長靴でも厳しい。
向こう岸に行きたくもあったが、水量と流れもそれなりにあるので無理しないでおいた。
ふかふかしていそうな苔の絨毯。触れるのは程々にした。
少し上流側の入渓ポイント。
石垣の石組みのような岩壁。
幽玄の世界。
広角で。
上から。擦れ擦れまで踏み出すと崩落の危険があるので程々にした。
結構な高さがあるので、撮影に夢中になると危ない。
それくらいの魅力のある景色だった。
願いは叶ったので今後そこまで足を運ぶことはないだろうが、貴重な景色を堪能出来、満足している。
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#河川 #湧水
御前水の湧水
御前水の湧水鹿肉缶詰製造所跡>>41から更に東へ50m程行くと、明治天皇行幸の際に供したと言われる湧水がある。
こちらも2009年に訪れたものである。
こちらの看板もリニューアルされ、現存しない。
新しい看板の方には、明治天皇行幸の行程が記されており興味深い。
開拓使10ヵ年計画が明治15年に終了するに伴い、ときの開拓使長官黒田清隆が明治天皇に視察を陳情し、北海道への行幸が行われた。
明治14年8月30日に小樽へ上陸、幌内鉄道で札幌へ向かい、開拓使庁(現・道庁)や農学校(現・北海道大学)を視察し、9月2日に千歳で一泊のち美々の缶詰製造所で休止、その際にここの井戸水が御膳に供されたとのこと。
その後はウトナイ、一本松、矢代町(旧樽前山神社があった)、宮前町で休止されたのち夕方には白老に発たれている。
これらは苫小牧市のホームページにも記載されている。
明治天皇行幸跡
昭和に入ってから建てられた碑。
行幸から日が経って明治17年に缶詰工場が廃止されてからは人の流出も激しかっただろうと思われ、顧みられることもなかったのかもしれない。
もっとも、建立当時は皇民化教育が活発だった時代ということもあり、皇室顕彰の一環として縁のあった地を保存する向きになったのだろうと思う。
元々は井戸だったという。地面から滲み出すように水が湛えられている。
水草も繁茂している。
透明度のある綺麗な水だが、現在は飲料水としては適さない水質らしく、飲用禁止の注意書きがある。
道路脇にぽつんと水場がある様は少し不思議な感じがするが、ここに人の営みがあった証でもある。
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#碑 #湧水