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高丘森林公園
高丘森林公園緑ヶ丘公園>>11、金太郎の池>>6から支笏湖通沿いに北の方角へ伸びる森林区域は苫小牧の市有林であり、遊歩道や東屋が設けられているハイキングスポットとなっている。遊歩道とはいえ、トレッキングコースのように未舗装路区間もあり、森林浴や自然観察にももってこいの場所だが、人の賑わいは緑ヶ丘公園や金太郎の池に集中し、そこから離れて遊歩道に入れば喧騒から遠ざかり、木々のざわめきや鳥のさえずりを除けば森閑な環境に身を置くことになる。
鳥の他にもシカ、リスなどの野生動物に出合うこともある。管理の出入りもあるためそう多くはないと思うが、クマも例外ではないので鈴などはあった方がいいかもしれない。他、スズメバチ注意の看板も所々にあるため、用心は必要だ。尚、公衆トイレもいくつかあるが、綺麗さは期待しないほうがいいだろう。
市のホームページ には、「昭和51年から「生活環境保全林」として整備された」とあるので、それなりに長く親しまれている公園になる。これも小学生の頃、同級生(特にアウトドア派の男子児童)の間で、森林公園の奥にある「トンギョの池」がにわかに話題となり、傍で聞いていた筆者も密かに興味を惹かれた。先の記事>>6のように、当時の金太郎の池には行けたものの、更に奥にあるという池にはさすがにひ弱っ子筆者の足では無理と悟って欲を起こさず(連れて行けと頼むのも、引っ込み思案っ子にとってはハードルが高かった)、そのまま忘れ去られ年月が経った。いい加減な大人になった2005年にふと思い出し、久々の金太郎の池と一緒に思い切って散策がてら探索し、おっとり気味ではあるが長年の夢が叶うこととなった。
登山ほどではないが、近場で手っ取り早く山歩きしたい時には、格好の場所でもある。
▼2005年8月
一番大きな森林公園の全体図。右端に展望台のある緑ヶ丘公園がある。
ここでは金太郎の池の現在地から、高速道路の向こう側エリアへ行くことになる。
森林公園には各広場があり、このような看板が立っている。
看板は当時のもので、現在は地図部分がリニューアルされているものもあるようだ。
池の北西側から伸びる遊歩道に入ってみる。
階段が設けられているが、この時はあまり人通りが無かったのか、草が生え放題になっていた。
この前年2004年の台風18号の影響で、支笏湖や樽前山麓の広範囲の森林の木がなぎ倒されるなどの甚大な被害が出た。
木は根ごと抉られ倒れているものが多く、この周辺ももれなく爪痕が色濃く残る散策路となっていた。
しばらく進むと展望広場に着くが、特別開けていたり眺めが良いわけではなかった。
高速道路にかかる橋。昔から高速をクルマで通るたびに、時折見かける上方の細い橋はどんな風になっているのだろうと気になっていたが、今ここでそういった橋を渡ろうとしている。俄然探検感が増してきた。
トレッキングコースのような細道が続く。
植えられている樹木の種類なのか、木の名前の広場が点在する。
マカバは、寒冷地の広葉樹で、テーブルの天板や建築材に用いられているらしい。
チップが敷き詰められた遊歩道。ふかふかして歩きやすい。
倒れている木があちこちにある。
それぞれ看板が新旧あるのか、色合いが違う。
アオダモは、野球バットの木で有名。
階段を下り、管理道路へ降りる。
シラカバ広場へ。ここまで来ればもう少し。
シラカバ広場の周りに、再生植樹したばかりなのか、囲いがいくつもあった。
いよいよトンギョの池。
新しめの綺麗な東屋だが、クモの巣まみれで近づけなかった。
その後ろに広がる池。小さめの、かつての金太郎の池を彷彿とさせる。
静かで良い雰囲気だが、水が綺麗なのかは判断つかなかった。
魚の姿もこの時は見られなかった。トンギョとは、イトヨやトミヨなどのトゲウオ科の魚を指す北海道方言とのこと。
あの時の同級生は、トンギョの姿を見ただろうか。
どんな池かが知ることが出来、満足気味に後にする。
おそらくもっと鬱蒼としていたのだろうと思うが、倒れた木がそこここに一纏めにされて、開けた地になっている。
夏のカエデも美しい。
その名も、カエデ広場。
樹木に詳しければもっと楽しめると思う。
アジサイの仲間、ノリウツギ。
開けた広場になっている。ここにも趣向の違う東屋がある。
中央広場のようだ。倒れてしまったのか看板は寝かせてあった。
もっと奥にも広場はいくつかあるが、この辺りでそろそろ戻ることにする。
被害の痕跡があちこちに。
先程の中央広場から1km程も歩いたようだ。
今度は高速の下を通る。往路とは別の道を歩く。
ツリガネニンジン。可愛らしい花だが食用にも生薬にもなるらしい。
約2時間、ゆっくり撮影したりで4kmくらい歩き、金太郎の池の北側に出てきてゴール。
この時は体力もまだあまり無かったので、中央広場あたりで疲れが出てきてやっと戻れたという感じだった。
長年の謎が解けたようで、充実した探索だった。
▼2022年11月
近年の記録だが、秋深まる頃の景色も良い。
この頃は、大病で入院手術を経た後で、リハビリと称して山歩きがしたかったため、足を運んだ。
金太郎の池、秋景色。
スマホ撮影なので、色合いは鮮やか目に。
渡れない八つ橋。
今はもっぱらカモメの止まり木となっている。
上の2005年の時は、池の北西のここから入ったが、この時はシカ捕獲罠を設置のために立入禁止となっていた。
後ろの倒れた木は、そのままになっている。
逆側の池の北、長い階段を上った遊歩道へ入ることにした。
あまり奥へは行くつもりはなかったのでしばらく歩いて引き返し、開けたところを覗いたら、高丘霊園だった。
区域的には隣接しているので当然なのだが、かなり近い場所からお墓が見えて驚いた。
池方面へ戻る長い階段を降りようとすると、神々しいシカに会った。
ヒトの姿を見ても、なかなかその場から動かないのはどこのシカもそうだが、このときばかりは美しくて、しばらく眺めていた。
去ってからゆっくり階段を降りてシカのいた場所を見ると、生活の営みの証である。
先程は、こちらが邪魔してしまったようだ。
枯れ葉の道なき道を進むと、なんとなく視線が気になって見上げたら、いるわいるわ。
まだ沢山いたが、全員こっちに注目し、さっと散っていった。
先程の立入禁止看板が頭をよぎる。
増えすぎると樹木の食害などもあるため、再生中の森林事業にとっては頭の痛い存在だろう。
しばらく歩くと、遊具と滑り台の広場へ出た。
平日の昼間は、とても静かだった。
▼2024年6月
最近はウォーキングを積極的にしようと金太郎の池にもちょくちょく寄るのだが、この時は気まぐれにまた森林の遊歩道を歩こうと、池の北側を真っ直ぐ突っ切って歩くことにした。
管理道路を歩く形になるので、こんな可愛い標識が所々に立っている。
好天で歩きやすい。暑いくらいだ。
種類は分からないが、鳥の鳴き声がひっきりなしに聞こえていた。心地よい。
エゾリスがひょこっとこんにちは。
餌やり場なのか、食事中の模様。
動きが軽やかだが、結構筋肉質だと思う。
高速道路の下を潜る。2005年に通った場所とは別の場所。
近年苫小牧中央インターが開通したためか、心なしか設備が整って新しく見える。
この坂が、地味にキツかった。
2005年と同じ、マカバ広場に着いた。
看板も変わっていて(2つあるのかも知れない)、ベンチもあり広場らしくなっていた。
しかし、クマには注意なのだ…
あの歩きやすいチップの道を進むと、アオダモ広場。
やっぱり看板が変わっている。
右側の木が、アオダモなのではないだろうか。
そして、これも2005年と同じ木の階段。
こちらは変わらず綺麗に保たれていて、管理が有り難い。
しかし、クマ鈴も持たず、それほど長距離を歩くつもりもなかったため、この辺で引き返すことに。
支笏湖通に出る一番端のミズナラ広場にも行ってみたいが、最近はどうしてもクマが怖いので、二の足を踏んでいる。
不安を少しでも感じたら、無理せず引き返すことにしている。
心に余裕が出来たら、装備を整えた上でチャレンジしてみたい。
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#公園 #湖沼
苫小牧・金太郎の池
苫小牧・金太郎の池過去と現在の姿がこれほど変わった公園施設はないだろうと思う。
とはいえ、当方は以前の写真を持っておらず、またざっと検索してみても見つからなかったため、ここで比較は出来ないのだが。
隣接する緑ヶ丘公園>>11と並ぶ市民の憩いのスポットである。厳密に言えば、金太郎の池は緑ヶ丘公園の一部であり、更に奥の森林区域に遊歩道が伸びる高丘森林公園>>7と併せて一帯が広大な公園施設となっている。
個人的には、子供の頃の遠足などレクリエーションで利用したのはもっぱら緑ヶ丘公園の方で、横幅の広いジャンボ滑り台が有名だったため知名度も圧倒的にそちらの方が優勢だった。今では展望台も設置され、支笏湖通からもその姿を確認出来るランドマークである。
片や金太郎の池は、元々は森林区域の奥にひっそりと佇む池で、知る人ぞ知るスポットだったような気がする。学校の遠足スポットだったという話もあるが、筆者の学校では記憶にない。筆者自身は小学生の頃、同級生数名で連れ立ち、筆者の父がクルマを出して皆で乗り合わせて訪れたことがあった。記憶に間違いなければ駐車場から5分程、林道のような道を歩くと池に辿り着き、秘密基地のように感じられ心が躍った。1980年代のことである。
それからしばらくして、幹線道路から長いアクセス路が伸び多くの台数を収容出来る駐車場も出来、ひっそり池は外周約1kmの、手漕ぎボートも漕ぎ出せる広大な池へと変貌した。子供向け遊具や丘の斜面を利用した滑り台、BBQのレストハウスなどが作られ、緑ヶ丘公園同様多くの市民が訪れる憩いの場となった。
なんだかんだと今では筆者も時々訪れ、ウォーキングコースとして利用しているが、あの頃のひっそり池の姿が見られなくなったことに少し寂しさを覚えていた。しかし実は、池の奥の方にこれまたひっそりと以前の姿を止めて残されていたのである。
▼2005年8月
池が今の姿になってから、この時初めて撮影した。
木々の木陰が色濃い夏景色。
八つ橋が健在だった頃。
ここには色々な鳥がいるが、特にカモメの姿が目立つ。
カモも数種類いる。
橋と東屋。すっかり綺麗な公園の姿になった。
木を囲む円形ベンチ。
足はピンクだけど、目つきが鋭いのでウミネコかも知れない。
カルガモ親子が可愛らしい。
様々な鳥が共生している。
▼2022年9月
池の奥の存在に気づいたので、じっくり見てみようと再訪した。
スマホの撮影で、コントラストを強めに設定してある。
池の周囲はウォーキングやランニングコースになっている。
八つ橋は、その後傷んでしまったらしく現在は板が外され渡れない。安全性を鑑みて修復はしないだろうと思われる。
池北西側の小橋の奥が、水源なのかひっそりと存在する。
かつての池がこのような雰囲気で、おそらくそのまま残され南側に今の池が拡張されたのだと思われる。
時期的にか藻や水草が繁茂していた。囲いの他は手付かずなのかも知れない。
昔、皆で遊んだ池の風景がまさしくこんな感じだった。
懐かしさで胸が一杯になった。
地図・空中写真閲覧サービス でこの辺りの1970〜80年代の写真を見ると、霊園の南西に湿地のような川があり、その太くなっている部分が元々の金太郎の池だと思われる。地形的にその川を拡張して今の形と広さに造成したのだろう。
元の池の雰囲気が好きだったので、残っていた(残してくれていた)のは嬉しい。
なんにせよ、憩える公園があることは、街にとって素晴らしいことだと思う。
▼2023年5月
池の南東側から競技場、野球場方面へ伸びる遊歩道が桜並木となっている。
ちょうどGWでお花見シーズンだったので、足を運んでみた。
鯉のぼりが泳いでいた。子供も多く訪れるので、素敵な取り組みだ。
ちなみにこの池には鯉もいるのだが、なかなかのコラボレーションだ。
桜並木はちょうど見頃を迎えていた。
全長は500m程度なのだが、こんな名所になっているとは思わなかった。
この時期に来たのは初めてだったので、近所なのにちょっと感動してしまった。
かつての奥地の池は、四季を通じて様々な景色を見せてくれる場所になっていた。
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#公園 #湖沼 #鳥類 #花
苫小牧西部の沼
苫小牧西部の沼苫小牧の地名はアイヌ語の「トー・マコマ・ナイ(沼・後ろ・川)」「トー・マコマイ(沼の・マコマイ川(旧苫小牧川>>33か))」等諸説あるが、いずれも沼にちなんだと思われるとおり、市街地の周辺には有名無名の沼地が点在する。ちなみに西部地区にはかつて佐羽内沼があり、市民の憩いの場でもあったが、苫小牧川の治水工事のため埋め立てられた。現在は山手町の宅地になっている。
2008年頃は地元周辺を様々ドライブしていた。ちょうど自分自身の仕事などに不安を抱えており、そんなストレスをかき消すかのごとくインターネットで様々な情報を得ることが楽しかった時期でもあった。その頃に出会った個人運営のサイトはどれも刺激的で面白く、新鮮だった。特に北海道内、地元の周辺を探検して情報を綴っているサイトには大いに興味を引かれた。
しかし今ではそれらのサイトの多くは既に閲覧不可(または更新停止)となっている。
苫小牧の沼に関しては、無難に行けそうな西側の4ヶ所ほどに足を運ぶことが出来、写真も残っていたのでここに載せておく。
※錦大沼は別のエントリーで紹介予定。
▼2008年9月 口無沼
当時口無沼へは、支笏湖通と呼ばれる国道276号から、丸山遠見への入口看板がある分岐へ入るルートが最も知られていた。
この時もそのルートで辿り着いたが、現在は丸山遠見も望楼には立ち入れないためか、いつ通っても入口分岐はゲートが閉じられているので車で辿り着くのは今では難しくなってしまった。
二輪もしくは歩いて行けないこともなさそうだが、国道から3km程になるのと何よりクマの出没が怖い。
支笏湖通以外にも沼へ繋がる林道はあるが、どこも入口ゲートは閉じられているようだ。
桟橋がある静かな佇まいの沼だった。
流入出する川が無いことから、口無沼と呼ばれる(実際には北側の湧水から流れ込んでいるらしい)。
▼2008年10月 マッカ沼
樽前SAと、オートリゾートArtenの間に位置する沼だが、夏場は道路から沼の姿を確認するのが困難なのではないか。地図で見ると、沼の一部が苫小牧の市章の形になっている。昭和の頃に観光開発の手が入っていたが、頓挫したようだ。
探訪当時は秋だったので少しの藪漕ぎで見ることが出来たが、家電が投棄され、水面に藻が繁茂し水質も濁って見えてお世辞にも綺麗とは言い難かった。
向こう岸の紅葉は美しかっただけに、残念。
市章の部分。釣り堀になる予定だったようだ。
▼2009年1月 観音沼
2009年の樽前ガロー>>2の帰りに、よく分からず道沿いの看板が気になって立ち寄ったら、へら鮒の釣り場となっている沼が見えた。
ここは近くに観音寺があることから、観音沼(または地蔵沼)と呼ばれている。
冬なのであいにく釣り客の姿も無かったが、暖かい季節も良い景色の行楽地になるのだろう。
▼2009年4月 タネト沼
こちらは春先に訪れたが、笹薮が深く探索ビギナーとしてはそれなりに苦労した。
よくよく思えば、ここはかつてのレジャー施設、TBS樽前ハイランドの跡地なのである。以前もハイランド跡地に行けないかと調べていたが、入口の柵の向こうは管理されており防犯設備もあるということで、無茶はしていなかった。それだけのリスクを冒してまでも見るべきものはなさそうだったというのもあるが。
そもそも柵の向こうにはゴルフ場の施設もあるので(元々は同じくTBS系が開業している)、ガードが固いのは当然といえば当然なのだが。
藪漕ぎの末に眼前に現れた広大な沼に、子供の頃に見たピンクフラミンゴの群れを重ね合わせた。そして沼のほとりに巡らされた舗装路は、ゴーカートコースだ。樽前ハイランドは、タネト沼とその周辺に施設を展開させていたのである。
※追記(2024.09.16):空中写真閲覧サービスの1975年のタネト沼周辺を見ると、タネト沼の南側に遊園地があり、ワカサギ沼の方に施設を展開していた様子が見られる。フラミンゴの居た沼は、ワカサギ沼の方ではないかとも思われるので、念のため記しておく。
沼目当てが、予てより行きたかった場所に無意識に辿り着いていたという、個人的に印象深い探索だった。
この道なき道を進んだ。笹以外の枯れ草の道は比較的歩きやすかったが。
こちらにも柵が巡らされていたが、ゴルフ場との境界だったのかも知れない。
この建物がランドマークだったが、今でもあるのだろうか。
見えてきた。
沼の南岸の道。ここで大きなオスジカに遭遇して驚いたのを覚えている。
樽前山をバックに、とても美しい沼の景色が広がっていた。
TBS系列の企業が展開していた施設らしく、TVCMで沼に躍るフラミンゴの映像が度々流されていたのを覚えている。
ゴーカートコースの舗装路。沼が目的だったので深追いしなかったが、これを辿るとアーチの遺構も見られたらしいので今思えばもう少し欲張ればよかったかも知れない。
※追記(2024.09.16):更新当初紹介していたサイト様がリンク切れとなっていましたので、関連文章ごと削除して再編しました。
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#湖沼
ウトナイ湖
ウトナイ湖苫小牧東部の代表的な景勝地である。湖というよりも広大な沼地と言った方が相応しい湿地帯だ。
かつては観光ホテルやそれに併設するボウリング場、遊園地などがあり、近隣の白鳥湖(丹治沼)も同様のレジャー施設として賑わっていた。昭和の時代はこのような観光遊園地が大小至るところに開設され、そして時代の流れと共に消えていった。
筆者も幼い頃に、ウトナイ湖のホテルやボウリング場に連れて行ってもらったことがある。当時のボウリング場はスコアが手書きで、父に記入してみろと言われても要領を得ず、叱られたという苦い記憶がある。多分小学生の頃だったと思うが、筆者の能力ではまだ難しく、また子供に任せるのが間違っているだろうと、今思い返しても納得がいかない(数十年越しの恨み)。今は全て機械が行ってくれるのでなんといい時代になったものか。また、湖ではボートにも乗れ、白鳥を模した足漕ぎボートに乗ったものの旋回ばかりして思うように進まなかったという思い出もあるが、別の場所との記憶違いかも知れず自信がない。
現在ではウトナイ湖は、湿地の動植物保全のためのラムサール条約に登録されている自然保護区である。小学生の頃の社会科の郷土史では、サンクチュアリに指定されていると習ったが、千歳川の放水路建設に反対、対抗する形で日本野鳥の会が主導し1981年に一帯をバードサンクチュアリとして指定、翌1982年に国指定の鳥獣保護区、その後1991年にラムサール条約登録という流れであった。近年では道の駅や展望台、鳥獣保護センターなどが設置され、かつての賑わいとはまた趣の違った景勝地となっている。
秋の終わり頃にオオハクチョウやマガンが飛来し、冬の終わりにシベリアへ去っていく、渡り鳥の中継地としても有名だ。冬場に湖上にひしめくハクチョウの群れは圧巻である。人間と同じ営みのような仕草や争いの姿を見ることも出来、自然界の厳しさも垣間見えるが長時間見ていても飽きない。工業都市として発展しつつもかつての自然域が残る、逆に言えば経済社会において開発は簡単だが、元来の状態で残すのは至難の業という現在、絶妙なバランスで保全される自然の聖域とも言えるだろう。
▼2009年4月
ようやく雪も消えた頃、鳥たちはまだ沢山居たが、そろそろここを離れる時期だろうか。
オオハクチョウもまだいた。
オナガガモのオスとメス。
この頃はまだ誕生していないが、苫小牧のキャラクター「とまチョップ 」は、ハクチョウがモチーフの一つだったりする。
二羽並んで歩く姿が愛らしい。
この個体は、食事中のカモに激しくちょっかいを出していたり噛み付いていたいじめっ子、だった…
根気強く観察し続けていると、求愛行動も見られたりする。
奥の、向かい合って首を上下している2羽がそれである。コオーコオーと鳴き合っている。
頭部が茶色なのでおそらくヒドリガモだと思われる。
▼2009年11月
同じ年の秋に訪れてみた。
湖へ向かう車止めの柵が、可愛くなっていた。
最近ではこの手の柵をよく見かける。
11月頃からポツポツとオオハクチョウが帰ってくる。
遠くて判断し辛いが、ヒシクイやマガンも居るかもしれない。
ハクチョウの第一陣が来た感じだろうか。
冬にかけてもっと増えるはず。
間近で見ると凛々しい。
羽ばたく姿は狙わないと難しいが、やっと捉えることが出来た。
横に2m近くはある。
痒いのか、仕草が生活感あって親しみが湧く。
中には、負傷してしまった個体も。翼の骨が剥き出しで痛々しい。
泳ぐ(浮かぶ)ことは普通に出来るらしく、そのまま入っていったが、飛ぶのは難しそうだ。
渡らずにこのままこの湖に留まるのだろう。
色がグレーっぽいのは、若鳥なのだそうだ。
ハクチョウは家族単位で行動するため、近くには必ず親鳥がいるらしい(左側の見切れた個体?)。
湖から振り返って、道の駅の建物。
道の駅は別記事で記すことにする。
▼2011年6月
道の駅スタンプラリーを始めた時に立ち寄ってみた。
この時は駐車場が満車だったので、隣接の鳥獣保護センターに停めて周辺を見学した。
ウトナイ湖野生鳥獣保護センター。
ウトナイ湖に生息する野鳥や植物の資料展示。
子供連れも多く賑わう場所となっていた。
湖に沿って散策できる遊歩道が整備されている。
この時は、テラスのような張り出し部分が老朽化で立入禁止になっている箇所があった。
湖畔部分は木道となっている。
ここを含む散策路が周辺に巡らされているので、森林浴やウォーキングにも良さそう。
この時期は水鳥の姿は無く、森林の野鳥の姿が見られるようだ。
留鳥の姿もこの時は無かった。
小腹が空いたので、道の駅でB1とんちゃんの豚まんと、「ウトナイ湖の夕日」というドリンクをセットで。
マンゴーとハスカップで夕日をイメージしている。美味しかった。
▼2019年8月
この時は家から自転車で来てみた。この年に新設された展望台を見てみようと運動がてら訪れた。
半円柱型の展望台。屋上では360度のパノラマを望むことが出来る。
あの柵の鳥が、なんと…!
法被を着せられキューピーがねじり鉢巻きで乗っている。
どろぼう?ひょっとこ?もいる。遊び心が炸裂している。
ガラス張りのフロア。湖の方向を展望出来る。
単眼鏡も設置されている。
さすがに鳥は居ない…と思いきや、
ハクチョウが一羽、ぽつんと。
長距離を飛べないのか、居残った個体だろう。
屋上から。
道の駅、国道側を眺める。
湖岸に下りる。
先程のハクチョウか、遠くに白い点と黒い点がいくつか見える。留鳥が奥の方にいるのかもしれない。
穏やかな夏のウトナイ湖だった。
畳む
#湖沼 #鳥類 #飲食