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スイーツから廃墟まで。北の国からお送りする日常ゆるゆる探検。2009年から始めた前ブログの記事を再編、移植しています


全年全月6日の投稿(時系列順)2件]

2024年9月 この範囲を新しい順で読む この範囲をファイルに出力する

ウトナイ湖

ウトナイ湖

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苫小牧東部の代表的な景勝地である。湖というよりも広大な沼地と言った方が相応しい湿地帯だ。
かつては観光ホテルやそれに併設するボウリング場、遊園地などがあり、近隣の白鳥湖(丹治沼)も同様のレジャー施設として賑わっていた。昭和の時代はこのような観光遊園地が大小至るところに開設され、そして時代の流れと共に消えていった。

筆者も幼い頃に、ウトナイ湖のホテルやボウリング場に連れて行ってもらったことがある。当時のボウリング場はスコアが手書きで、父に記入してみろと言われても要領を得ず、叱られたという苦い記憶がある。多分小学生の頃だったと思うが、筆者の能力ではまだ難しく、また子供に任せるのが間違っているだろうと、今思い返しても納得がいかない(数十年越しの恨み)。今は全て機械が行ってくれるのでなんといい時代になったものか。また、湖ではボートにも乗れ、白鳥を模した足漕ぎボートに乗ったものの旋回ばかりして思うように進まなかったという思い出もあるが、別の場所との記憶違いかも知れず自信がない。

現在ではウトナイ湖は、湿地の動植物保全のためのラムサール条約に登録されている自然保護区である。小学生の頃の社会科の郷土史では、サンクチュアリに指定されていると習ったが、千歳川の放水路建設に反対、対抗する形で日本野鳥の会が主導し1981年に一帯をバードサンクチュアリとして指定、翌1982年に国指定の鳥獣保護区、その後1991年にラムサール条約登録という流れであった。近年では道の駅や展望台、鳥獣保護センターなどが設置され、かつての賑わいとはまた趣の違った景勝地となっている。

秋の終わり頃にオオハクチョウやマガンが飛来し、冬の終わりにシベリアへ去っていく、渡り鳥の中継地としても有名だ。冬場に湖上にひしめくハクチョウの群れは圧巻である。人間と同じ営みのような仕草や争いの姿を見ることも出来、自然界の厳しさも垣間見えるが長時間見ていても飽きない。工業都市として発展しつつもかつての自然域が残る、逆に言えば経済社会において開発は簡単だが、元来の状態で残すのは至難の業という現在、絶妙なバランスで保全される自然の聖域とも言えるだろう。


▼2009年4月

ようやく雪も消えた頃、鳥たちはまだ沢山居たが、そろそろここを離れる時期だろうか。

20240906003658-admin.jpgオオハクチョウもまだいた。

202409060036581-admin.jpgオナガガモのオスとメス。

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202409060036583-admin.jpgこの頃はまだ誕生していないが、苫小牧のキャラクター「とまチョップ 」は、ハクチョウがモチーフの一つだったりする。 

202409060036584-admin.jpg二羽並んで歩く姿が愛らしい。

202409060036585-admin.jpgこの個体は、食事中のカモに激しくちょっかいを出していたり噛み付いていたいじめっ子、だった…

202409060036586-admin.jpg根気強く観察し続けていると、求愛行動も見られたりする。
奥の、向かい合って首を上下している2羽がそれである。コオーコオーと鳴き合っている。

202409060036587-admin.jpg頭部が茶色なのでおそらくヒドリガモだと思われる。


▼2009年11月

同じ年の秋に訪れてみた。

20240906004711-admin.jpg湖へ向かう車止めの柵が、可愛くなっていた。
最近ではこの手の柵をよく見かける。

202409060047111-admin.jpg11月頃からポツポツとオオハクチョウが帰ってくる。

202409060047112-admin.jpg遠くて判断し辛いが、ヒシクイやマガンも居るかもしれない。

202409060047113-admin.jpgハクチョウの第一陣が来た感じだろうか。
冬にかけてもっと増えるはず。

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202409060047115-admin.jpg間近で見ると凛々しい。

202409060047116-admin.jpg羽ばたく姿は狙わないと難しいが、やっと捉えることが出来た。
横に2m近くはある。

202409060047117-admin.jpg痒いのか、仕草が生活感あって親しみが湧く。

202409060047118-admin.jpg中には、負傷してしまった個体も。翼の骨が剥き出しで痛々しい。

202409060047119-admin.jpg泳ぐ(浮かぶ)ことは普通に出来るらしく、そのまま入っていったが、飛ぶのは難しそうだ。
渡らずにこのままこの湖に留まるのだろう。

2024090600471110-admin.jpg色がグレーっぽいのは、若鳥なのだそうだ。
ハクチョウは家族単位で行動するため、近くには必ず親鳥がいるらしい(左側の見切れた個体?)。

2024090600471111-admin.jpg湖から振り返って、道の駅の建物。
道の駅は別記事で記すことにする。


▼2011年6月

道の駅スタンプラリーを始めた時に立ち寄ってみた。
この時は駐車場が満車だったので、隣接の鳥獣保護センターに停めて周辺を見学した。

20240906005210-admin.jpgウトナイ湖野生鳥獣保護センター。

202409060052101-admin.jpgウトナイ湖に生息する野鳥や植物の資料展示。
子供連れも多く賑わう場所となっていた。

202409060052103-admin.jpg湖に沿って散策できる遊歩道が整備されている。

202409060052102-admin.jpgこの時は、テラスのような張り出し部分が老朽化で立入禁止になっている箇所があった。

202409060052104-admin.jpg湖畔部分は木道となっている。
ここを含む散策路が周辺に巡らされているので、森林浴やウォーキングにも良さそう。

202409060052105-admin.jpgこの時期は水鳥の姿は無く、森林の野鳥の姿が見られるようだ。

202409060052106-admin.jpg留鳥の姿もこの時は無かった。

202409060052107-admin.jpg小腹が空いたので、道の駅でB1とんちゃんの豚まんと、「ウトナイ湖の夕日」というドリンクをセットで。
マンゴーとハスカップで夕日をイメージしている。美味しかった。


▼2019年8月

この時は家から自転車で来てみた。この年に新設された展望台を見てみようと運動がてら訪れた。

20240906005435-admin.jpg半円柱型の展望台。屋上では360度のパノラマを望むことが出来る。

202409060054351-admin.jpgあの柵の鳥が、なんと…!

202409060054352-admin.jpg法被を着せられキューピーがねじり鉢巻きで乗っている。
どろぼう?ひょっとこ?もいる。遊び心が炸裂している。

2024090600543513-admin.jpgガラス張りのフロア。湖の方向を展望出来る。

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202409060054354-admin.jpg単眼鏡も設置されている。

202409060054356-admin.jpgさすがに鳥は居ない…と思いきや、

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202409060054358-admin.jpgハクチョウが一羽、ぽつんと。
長距離を飛べないのか、居残った個体だろう。

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2024090600543510-admin.jpg屋上から。

2024090600543511-admin.jpg道の駅、国道側を眺める。

2024090600543514-admin.jpg湖岸に下りる。
先程のハクチョウか、遠くに白い点と黒い点がいくつか見える。留鳥が奥の方にいるのかもしれない。

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2024090600543516-admin.jpg穏やかな夏のウトナイ湖だった。
畳む


#湖沼 #鳥類 #飲食

道央,苫小牧

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茶房 菊泉

茶房 菊泉

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函館元町にある古民家カフェである。
初訪は2009年、元町散歩>>27の締めくくり、帰路につく前に何か食べたいと、古き良き雰囲気の家屋に引き寄せられるように入店するとそこが茶房菊泉で、大当たりの素敵なお店だった。

入口には「大正10年築の酒問屋の別宅跡をほぼ昔のままの姿で喫茶店として利用しています」とある。旧酒問屋の主人とその家族の住居として建てられ、1990年(平成2)までは使用されていたが、函館市の伝統的建造物 に指定されたのをきっかけにリノベーションし、2005年から喫茶店として営業を始めたそうだ。
茶房菊泉

近年某アニメの聖地としても話題となっているが、2023年に一旦閉店し現在は運営者が変わってメニューも一新、当記事に掲載のものは提供されていない。内装も変化しているようなので留意いただきたい。当時のメニューは、前運営者が隣の店舗へ移転して提供しており、甘味や看板メニューのくじら汁もそちらで頂けるようにはなっているらしい。

個人的にはあの古民家の雰囲気でいただくお茶や甘味が好きだったので、少し残念ではあるのだが、本来の菊泉別邸の建物と雰囲気がこれからも残っていってほしいと思う。


▼2009年5月

2024100601461310-admin.jpg初探訪。昔の茶屋のような趣もある、古民家カフェ。

20241006014613-admin.jpg続き間の和風建築。襖を開け放った大広間にちゃぶ台の座敷席を設けてある。色とりどりの座布団と、吊り雛飾りが可愛らしい。

202410060146132-admin.jpg中心部に囲炉裏が切られている。ぶら下がる鉄瓶、奥の船箪笥様の家具が味わい深い。

いわゆる「おばあちゃん家に来たような懐かしさ」を感じる。そのような家の匂いは古い日本家屋に共通のものだが、なんの匂いなのだろうか。畳や木材、囲炉裏やストーブの火種、襖や着物の繊維質などが混合されたような独特の「昔」の匂い。

202410060146135-admin.jpg火鉢とアンティークなプレイヤーなど、目に映るものすべてが素敵だ。

202410060146134-admin.jpg奥の窓際テーブル席に案内してもらった。

202410060146131-admin.jpg天井取り付けの笠付電灯。模様が良い…

202410060146136-admin.jpgやはり甘味をいただきたいと、お抹茶のデザートセット。

202410060146137-admin.jpg黒ごまアイスとあんみつ、スイートポテトの盛り合わせで、結構満たされた記憶。白玉団子はとうふ白玉。

202410060146138-admin.jpg友人が注文した、季節のパフェ。5月だったので、桜モチーフのパフェらしい。

202410060146139-admin.jpgフルーツたっぷりと、白玉で模られた桜が可愛い。アイスは同じくごまアイス。こちらも美味しそうで目移りしそう。

202410060146133-admin.jpg窓からの景色。坂の街の眺めに、牡丹のような大輪の花がアクセントになっている。


▼2019年5月

再訪が10年後とは、遠方だから仕方ないがかなり開いてしまったものだ。
元町に来たなら、やはりあの時のお店という感じで来てみた。ちょうどお茶休憩もしたかった。

この10年の間に、某アニメの舞台にもなったらしく、聖地巡りスポットとしてポスターが張られていたり、グッズも販売されていたりで目当てと思われる客の姿もあった。なんなら自分もその一人と思われていた可能性もある。

202410060202164-admin.jpg外観は変わらず味わいがある。松に隠れてしまったが、切妻の上部に酒問屋時代の酒樽の看板が掲げられている。
隣の青い建物は当時は別の喫茶店だったが、現在はそちらに元の菊泉の運営が移転し元(当記事写真)のメニューを提供している。ちなみにそちらの建物も函館市の伝統的建造物となっている。

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202410060202163-admin.jpg調度品が素敵だ。木彫りの熊もあった。

202410060202162-admin.jpg囲炉裏や火鉢だけでは北の冬は厳しそうだが、こういうものに情緒を感じる自分はやはり日本人なのだなと思わされる。

20241006020216-admin.jpgデザートセットのお抹茶と、やっぱり前回と同じものを注文してしまった。スイートポテトは別の器の出来立て感が良かった。
くじら汁も気になったが、春の陽気の中歩き回ると暑くなるのでやっぱり冷たいものが欲しくなる。
ちゃぶ台の上のけん玉などのおもちゃも遊び心がある。

次訪れることがあった場合、古民家の菊泉の方と、元のメニューを提供してくれるお隣との2軒のハシゴは時間的にも金銭的にも正直辛いので、どちらを選ぶかは悩みどころだ。新メニューの、自分で焼くお団子セットも気になるのでまた菊泉を選びそうな気はするが。

好きだったお店を悩むことなく気楽に利用したいと思うのは、やはり今日においては贅沢なことなのだろうか…
畳む


#飲食 #古建築

道南,函館