カテゴリ「道央」に属する投稿(時系列順)[39件]
苫小牧西部の沼
苫小牧西部の沼
苫小牧の地名はアイヌ語の「トー・マコマ・ナイ(沼・後ろ・川)」「トー・マコマイ(沼の・マコマイ川(旧苫小牧川>>33か))」等諸説あるが、いずれも沼にちなんだと思われるとおり、市街地の周辺には有名無名の沼地が点在する。ちなみに西部地区にはかつて佐羽内沼があり、市民の憩いの場でもあったが、苫小牧川の治水工事のため埋め立てられた。現在は山手町の宅地になっている。
2008年頃は地元周辺を様々ドライブしていた。ちょうど自分自身の仕事などに不安を抱えており、そんなストレスをかき消すかのごとくインターネットで様々な情報を得ることが楽しかった時期でもあった。その頃に出会った個人運営のサイトはどれも刺激的で面白く、新鮮だった。特に北海道内、地元の周辺を探検して情報を綴っているサイトには大いに興味を引かれた。
しかし今ではそれらのサイトの多くは既に閲覧不可(または更新停止)となっている。
苫小牧の沼に関しては、無難に行けそうな西側の4ヶ所ほどに足を運ぶことが出来、写真も残っていたのでここに載せておく。
※錦大沼は別のエントリーで紹介予定。
▼2008年9月 口無沼
当時口無沼へは、支笏湖通と呼ばれる国道276号から、丸山遠見への入口看板がある分岐へ入るルートが最も知られていた。
この時もそのルートで辿り着いたが、現在は丸山遠見も望楼には立ち入れないためか、いつ通っても入口分岐はゲートが閉じられているので車で辿り着くのは今では難しくなってしまった。
二輪もしくは歩いて行けないこともなさそうだが、国道から3km程になるのと何よりクマの出没が怖い。
支笏湖通以外にも沼へ繋がる林道はあるが、どこも入口ゲートは閉じられているようだ。


流入出する川が無いことから、口無沼と呼ばれる(実際には北側の湧水から流れ込んでいるらしい)。
▼2008年10月 マッカ沼
樽前SAと、オートリゾートArtenの間に位置する沼だが、夏場は道路から沼の姿を確認するのが困難なのではないか。地図で見ると、沼の一部が苫小牧の市章の形になっている。昭和の頃に観光開発の手が入っていたが、頓挫したようだ。
探訪当時は秋だったので少しの藪漕ぎで見ることが出来たが、家電が投棄され、水面に藻が繁茂し水質も濁って見えてお世辞にも綺麗とは言い難かった。




▼2009年1月 観音沼
2009年の樽前ガロー>>2の帰りに、よく分からず道沿いの看板が気になって立ち寄ったら、へら鮒の釣り場となっている沼が見えた。
ここは近くに観音寺があることから、観音沼(または地蔵沼)と呼ばれている。


▼2009年4月 タネト沼
こちらは春先に訪れたが、笹薮が深く探索ビギナーとしてはそれなりに苦労した。
よくよく思えば、ここはかつてのレジャー施設、TBS樽前ハイランドの跡地なのである。以前もハイランド跡地に行けないかと調べていたが、入口の柵の向こうは管理されており防犯設備もあるということで、無茶はしていなかった。それだけのリスクを冒してまでも見るべきものはなさそうだったというのもあるが。
そもそも柵の向こうにはゴルフ場の施設もあるので(元々は同じくTBS系が開業している)、ガードが固いのは当然といえば当然なのだが。
藪漕ぎの末に眼前に現れた広大な沼に、子供の頃に見たピンクフラミンゴの群れを重ね合わせた。そして沼のほとりに巡らされた舗装路は、ゴーカートコースだ。樽前ハイランドは、タネト沼とその周辺に施設を展開させていたのである。
※追記(2024.09.16):空中写真閲覧サービスの1975年のタネト沼周辺を見ると、タネト沼の南側に遊園地があり、ワカサギ沼の方に施設を展開していた様子が見られる。フラミンゴの居た沼は、ワカサギ沼の方ではないかとも思われるので、念のため記しておく。
沼目当てが、予てより行きたかった場所に無意識に辿り着いていたという、個人的に印象深い探索だった。








TBS系列の企業が展開していた施設らしく、TVCMで沼に躍るフラミンゴの映像が度々流されていたのを覚えている。


※追記(2024.09.16):更新当初紹介していたサイト様がリンク切れとなっていましたので、関連文章ごと削除して再編しました。
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#湖沼
小樽雪あかりの路
小樽雪あかりの路
夜闇に浮かぶランタンや灯篭の明かりには、なんとも言えない風情を感じる。特に冬場の雪景色を彩るアイスキャンドルやワックスボウルの明かりも、薄ぼんやりと極寒の空気と冷え込んだ体を暖めてくれるような、和やかさがある。
今では様々な場所で、冬季のイベントとしてキャンドルを作って灯す風景も増え、さほど珍しいものでもなくなったが、かつては近所でそんな風景を見ると物珍しく、個人宅でやっていたものかは不明だが毎日その場所を通って堪能させてもらったりもした。
小樽は札幌圏ということもあり、当方地元からも距離的に行きやすい観光地のため、子供の頃は見学旅行はじめ、その後も家族や友人などと何度も訪れた場所である。いつの季節に行っても素敵な場所だが、特に「雪あかりの路」は、運河沿い観光エリアを幻想的に灯す冬の風物詩的イベントだ。
公式サイト によると、1999年から始まり、毎年2月に市民の手で開催されており各会場を彩る無数のキャンドルも手作りの市民参加型となっている。子供が作ったであろうものや、図画工作よろしく素朴なデザインのボウルもあったりと、華美さや派手さは無いものの、惹かれるのは正にそういうところなのかもしれないと今あらためて思ったりもする。そんなキャンドルや小さな雪像など、一つ一つ見て歩いていると心も温まり、寒さも忘れることが出来るのだ。
2008年に初めて雪あかりの路を見て、また来たいと思い、翌年2009年は友人と、そしてしばらく間が空いたが2018年にも足を運んだ。
変わらず続いてほしいイベントの一つである。
▼2008年から抜粋

こことは関係ないが、雪あかりの路を見る時はまず初めに、閉店間際のかま栄に寄ってかまぼこを買って食べ歩くのが個人的定番となっている。



▼2009年から抜粋




▼2018年
この年は、当時開催されていた朝里川方面の会場も見たかったので、そちらにも足を運んだ。
運河会場とは少し距離が離れているため普段は両方見るのは難しかったが、その時はまず真っ直ぐ朝里へ向かった。

三脚を使ってみたが、人通りもそこそこあり中々難しかった。



運河会場へ。
例のごとく、かまぼこを食み食みしながら歩いた。
一眼を持ってからは初だったので、ちょっと気合いは入っていた。










路の端々に温かさが散りばめられている。

一通り見て帰宅すると、冬道のゆっくり運転でだいたい夜0時近くになってしまうのだが、それでも充実感がある。
いずれ交通機関を利用して泊まりで行くのもいいかも知れない。
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#イベント #河川
苫小牧・金太郎の池
苫小牧・金太郎の池
過去と現在の姿がこれほど変わった公園施設はないだろうと思う。
とはいえ、当方は以前の写真を持っておらず、またざっと検索してみても見つからなかったため、ここで比較は出来ないのだが。
隣接する緑ヶ丘公園>>11と並ぶ市民の憩いのスポットである。厳密に言えば、金太郎の池は緑ヶ丘公園の一部であり、更に奥の森林区域に遊歩道が伸びる高丘森林公園>>7と併せて一帯が広大な公園施設となっている。
個人的には、子供の頃の遠足などレクリエーションで利用したのはもっぱら緑ヶ丘公園の方で、横幅の広いジャンボ滑り台が有名だったため知名度も圧倒的にそちらの方が優勢だった。今では展望台も設置され、支笏湖通からもその姿を確認出来るランドマークである。
片や金太郎の池は、元々は森林区域の奥にひっそりと佇む池で、知る人ぞ知るスポットだったような気がする。学校の遠足スポットだったという話もあるが、筆者の学校では記憶にない。筆者自身は小学生の頃、同級生数名で連れ立ち、筆者の父がクルマを出して皆で乗り合わせて訪れたことがあった。記憶に間違いなければ駐車場から5分程、林道のような道を歩くと池に辿り着き、秘密基地のように感じられ心が躍った。1980年代のことである。
それからしばらくして、幹線道路から長いアクセス路が伸び多くの台数を収容出来る駐車場も出来、ひっそり池は外周約1kmの、手漕ぎボートも漕ぎ出せる広大な池へと変貌した。子供向け遊具や丘の斜面を利用した滑り台、BBQのレストハウスなどが作られ、緑ヶ丘公園同様多くの市民が訪れる憩いの場となった。
なんだかんだと今では筆者も時々訪れ、ウォーキングコースとして利用しているが、あの頃のひっそり池の姿が見られなくなったことに少し寂しさを覚えていた。しかし実は、池の奥の方にこれまたひっそりと以前の姿を止めて残されていたのである。
▼2005年8月
池が今の姿になってから、この時初めて撮影した。














▼2022年9月
池の奥の存在に気づいたので、じっくり見てみようと再訪した。
スマホの撮影で、コントラストを強めに設定してある。





かつての池がこのような雰囲気で、おそらくそのまま残され南側に今の池が拡張されたのだと思われる。




懐かしさで胸が一杯になった。


地図・空中写真閲覧サービス でこの辺りの1970〜80年代の写真を見ると、霊園の南西に湿地のような川があり、その太くなっている部分が元々の金太郎の池だと思われる。地形的にその川を拡張して今の形と広さに造成したのだろう。
元の池の雰囲気が好きだったので、残っていた(残してくれていた)のは嬉しい。




▼2023年5月
池の南東側から競技場、野球場方面へ伸びる遊歩道が桜並木となっている。
ちょうどGWでお花見シーズンだったので、足を運んでみた。




ちなみにこの池には鯉もいるのだが、なかなかのコラボレーションだ。






かつての奥地の池は、四季を通じて様々な景色を見せてくれる場所になっていた。
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#公園 #湖沼 #鳥類 #花
高丘森林公園
高丘森林公園
緑ヶ丘公園>>11、金太郎の池>>6から支笏湖通沿いに北の方角へ伸びる森林区域は苫小牧の市有林であり、遊歩道や東屋が設けられているハイキングスポットとなっている。遊歩道とはいえ、トレッキングコースのように未舗装路区間もあり、森林浴や自然観察にももってこいの場所だが、人の賑わいは緑ヶ丘公園や金太郎の池に集中し、そこから離れて遊歩道に入れば喧騒から遠ざかり、木々のざわめきや鳥のさえずりを除けば森閑な環境に身を置くことになる。
鳥の他にもシカ、リスなどの野生動物に出合うこともある。管理の出入りもあるためそう多くはないと思うが、クマも例外ではないので鈴などはあった方がいいかもしれない。他、スズメバチ注意の看板も所々にあるため、用心は必要だ。尚、公衆トイレもいくつかあるが、綺麗さは期待しないほうがいいだろう。
市のホームページ には、「昭和51年から「生活環境保全林」として整備された」とあるので、それなりに長く親しまれている公園になる。これも小学生の頃、同級生(特にアウトドア派の男子児童)の間で、森林公園の奥にある「トンギョの池」がにわかに話題となり、傍で聞いていた筆者も密かに興味を惹かれた。先の記事>>6のように、当時の金太郎の池には行けたものの、更に奥にあるという池にはさすがにひ弱っ子筆者の足では無理と悟って欲を起こさず(連れて行けと頼むのも、引っ込み思案っ子にとってはハードルが高かった)、そのまま忘れ去られ年月が経った。いい加減な大人になった2005年にふと思い出し、久々の金太郎の池と一緒に思い切って散策がてら探索し、おっとり気味ではあるが長年の夢が叶うこととなった。
登山ほどではないが、近場で手っ取り早く山歩きしたい時には、格好の場所でもある。
▼2005年8月

ここでは金太郎の池の現在地から、高速道路の向こう側エリアへ行くことになる。

看板は当時のもので、現在は地図部分がリニューアルされているものもあるようだ。

階段が設けられているが、この時はあまり人通りが無かったのか、草が生え放題になっていた。

木は根ごと抉られ倒れているものが多く、この周辺ももれなく爪痕が色濃く残る散策路となっていた。




マカバは、寒冷地の広葉樹で、テーブルの天板や建築材に用いられているらしい。

倒れている木があちこちにある。

アオダモは、野球バットの木で有名。









魚の姿もこの時は見られなかった。トンギョとは、イトヨやトミヨなどのトゲウオ科の魚を指す北海道方言とのこと。

どんな池かが知ることが出来、満足気味に後にする。



樹木に詳しければもっと楽しめると思う。



もっと奥にも広場はいくつかあるが、この辺りでそろそろ戻ることにする。




約2時間、ゆっくり撮影したりで4kmくらい歩き、金太郎の池の北側に出てきてゴール。
この時は体力もまだあまり無かったので、中央広場あたりで疲れが出てきてやっと戻れたという感じだった。
長年の謎が解けたようで、充実した探索だった。
▼2022年11月
近年の記録だが、秋深まる頃の景色も良い。
この頃は、大病で入院手術を経た後で、リハビリと称して山歩きがしたかったため、足を運んだ。

スマホ撮影なので、色合いは鮮やか目に。

今はもっぱらカモメの止まり木となっている。

後ろの倒れた木は、そのままになっている。
逆側の池の北、長い階段を上った遊歩道へ入ることにした。

区域的には隣接しているので当然なのだが、かなり近い場所からお墓が見えて驚いた。

ヒトの姿を見ても、なかなかその場から動かないのはどこのシカもそうだが、このときばかりは美しくて、しばらく眺めていた。

先程は、こちらが邪魔してしまったようだ。


まだ沢山いたが、全員こっちに注目し、さっと散っていった。
先程の立入禁止看板が頭をよぎる。
増えすぎると樹木の食害などもあるため、再生中の森林事業にとっては頭の痛い存在だろう。

平日の昼間は、とても静かだった。
▼2024年6月
最近はウォーキングを積極的にしようと金太郎の池にもちょくちょく寄るのだが、この時は気まぐれにまた森林の遊歩道を歩こうと、池の北側を真っ直ぐ突っ切って歩くことにした。


種類は分からないが、鳥の鳴き声がひっきりなしに聞こえていた。心地よい。

餌やり場なのか、食事中の模様。




近年苫小牧中央インターが開通したためか、心なしか設備が整って新しく見える。


看板も変わっていて(2つあるのかも知れない)、ベンチもあり広場らしくなっていた。


やっぱり看板が変わっている。


こちらは変わらず綺麗に保たれていて、管理が有り難い。
しかし、クマ鈴も持たず、それほど長距離を歩くつもりもなかったため、この辺で引き返すことに。
支笏湖通に出る一番端のミズナラ広場にも行ってみたいが、最近はどうしてもクマが怖いので、二の足を踏んでいる。
不安を少しでも感じたら、無理せず引き返すことにしている。
心に余裕が出来たら、装備を整えた上でチャレンジしてみたい。
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#公園 #湖沼
樽前ガロー
樽前ガロー苫小牧市西部の郊外にある景勝地。長らく市内に居住しているなら一度は聞いたことのある場所なのではないだろうか。
東部にはウトナイ湖>>14があり、そちらでは以前から観光ホテルやボウリング場等(双方現存しない)が建ち、現在ではラムサール条約に登録されたり道の駅が開設されたりと観光の拠点となっているが、こちらの樽前地区に関しては、一時期樽前ハイランド等の遊園地が賑わったものの、撤退後は他に大きな開発の手が加わらず、樽前山の麓、点在する沼地やこのような特徴的な景観ポイントを残すのみである。
樽前ガローは、樽前山などの支笏火山の溶岩を川の流れが浸食して形成された幅狭の渓谷である。「ガロー」とは、両岸が切り立った崖になっている場所を指し、東北方言ともアイヌ語とも言われているが詳細は不明。
筆者は2006年にふと思い立って足を運んだが、下調べも不十分だったため見所がいまいち分からず、樽前川上流側の古いガロー橋から眺めるに留まっていた。
これは個人的な子供の頃の記憶だが、親の会社の親睦会だったか数家族と連れ立って樽前ハイランドを訪れたことがある。その帰りに深い渓谷の下に降りて、皆でザリガニを捕ったことがあるのだが、その渓谷がどこだったのか、親に聞いても分からず、ずっと気にかかっていた。当時のハイランドの周辺にそういった地形は樽前ガロー以外に見当たらないので、ガローのどの辺りだろうとよくよく調べると、もう少し下流側に駐車スペースと別に橋があり、崖下に降りられるポイントがいくつかあった。
長靴やカメラ等を準備し、危険も承知の上できちんとした形で再訪したのは2020年夏。ようやく記憶の景色に辿り着くことが出来た。
しかし奇しくもその後、岩盤崩落の危険のため、下に降りることは禁止となってしまったようだ。支笏湖の苔の洞門しかり、樽前山の溶岩ドーム内側しかり、自然現象が理由で一度立入禁止になるとほぼ解禁されることはない。
素晴らしい自然景観の場所なので、末永く保たれて欲しいが、そこに身を置いて楽しむことが出来なくなるのは甚だ残念でもある。
瀬戸際のタイミングであの頃の記憶に再会出来たのだと思えば、大変幸運だったと言うべきだろうか。
▼2006年5月
ここだけ見ると降りて遊べるような場所ではない。
時々汲みに来る人がいるようで、現在はもっと汲み口が整備されているらしい。
▼2007年7月
▼2009年1月
▼2014年9月
この時に初めて駐車スペースと下流側の樽前ガロー橋の存在を知った。
写真が何故かこれしか見当たらないので、準備不足を悟って程々に撤退したのだろうと思う。
ちなみにこの頃にはコンデジを卒業し、デジイチ持ちで撮るようになっていた。
▼2020年8月
最も知られているであろう降り口から降りたが、ロープが設置してある崖となっていた。
個人的には危険度はそこそこだったが、散歩気分で降りられる場所ではないことは確か。
今でもザリガニはいるのだろうか…
向こう岸に行きたくもあったが、水量と流れもそれなりにあるので無理しないでおいた。
結構な高さがあるので、撮影に夢中になると危ない。
それくらいの魅力のある景色だった。
願いは叶ったので今後そこまで足を運ぶことはないだろうが、貴重な景色を堪能出来、満足している。
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#河川 #湧水